2010年07月21日

私の人生

私は今まで一生懸命に努力して、頑張って生きてきました。



でもなぜか私の人生はうまくいっていません。




家庭では家族とのコミュニケーションがうまくいきません。



職場では思ったように自分の仕事が評価されていません。



友達もあまりいい人と出会えません。




こんなに頑張っているのになぜなのでしょうか?



いつも周りにこんなにも気を使っていたのになぜなのでしょうか?




世の中は不公平にできていると思います。



私の周りには私をちゃんとわかってくれる人がいないのです。



わかってくれるどころか、私の邪魔ばかりします。




もう生きていくのも嫌になってきました。でも怖いので、人生を終わりにすることはできません。



私にはなんとなく生きていくしかないのです。






ある時、ちょっと気分転換をしようと思い、海を見に海岸へいきました。



一人で海を眺めて、あれやこれやと考えていました。




すると・・・・



なんとなく声がするのが聴こえます。



『ん?海なりかな?』




周りを見渡しても誰もいません。



空耳だろうと思い、そのまままたあれやこれやと考えていました。




すると・・・・



また声が聴こえます。




よく聴いてみると、何か自分の内側から声が響いてくる感じがします。



『ん?なんだろう?』



とりあえず耳をすますため、目を瞑ってみます。




すると・・・やはり聴こえてきました。




「あなたは何をそんなに考えているの?」



『は?あなたは誰ですか?』



「なぜそんなに悲しそうなの?」



とりあえず答えてみることにしました。



『私の人生はうまくいきません。いつもこんなにも頑張っているのに.。』



「ふ~ん。それでなんでうまくいってないの?」



『私をちゃんと理解してくれる人がいないからです。



いつも人の為に気を使ってきました。仕事も誰よりも頑張ってきました。そして常識的に生きてきました。



私は何も悪くないのに、運が悪いのか、思うようにいかないことばかりなのです。』



「あ~そうなの。で、何が悪かったの?」



『はい。私が出会う人は、私の邪魔ばかりをします。



思っている通りに動いてくれません。家族は私の話をちゃんと聞いてくれません。



どうしてこういう人たちばかりなのか。私には理解できません。』



「ではあなたはそれで自分が正しいと思っているの?」



『間違っていることもあるかもしれません。でも私は一生懸命やっています。』



「ふ~ん。じゃあ、周りにいる人たちが悪いの?」



『わかりません。あれもこれも一生懸命やってきたのに、私は運が悪いのです。きっとそうに違いありません。』



「そうか~。運が悪いんだね。」



『はい。そうとしか思えません。』



「ん~、で、あなたは自分を変えてみた?」



『は?こんなに頑張っているのに、まだ私に何かしろと?もうこれ以上はできませんよ。』



「うん。確かにあなたは頑張ってきたのだろうね。でもあなたは自分を変えようとした?



相手を変えようとばかりしてきたよね。そして変わらないから、またそれに不満を持った。



でも相手は変わらないよ。」



『え?私は相手を変えようとはしてませんよ。』



「しているのではないかな?だってもっとこうしてくれればとか、私をわかってくれないとか。



それは相手が変わることを望んでいることだよ。」



『そうなんですか?』



「うん、そうだろうね。あなたは相手が自分の期待通りに動いてくれることを願っている。



でも相手には相手の自由な意思がある。やり方がある。それは一人ひとりが違うものだろう。



しかし、あなたは自分が正しいと思い、それを相手に押しつけようとしている。



それでは何も変わらないよ。」



『はあ~。』



「相手が変わらないと、今度は運が悪いせいにしている。



う~ん、これではあなたの人生は益々つまらないものになるね。」



『・・・・・』



「あなたは自分自身を何とかしようとしてみた?



人生を嘆いて、相手のせいにしてばかりいたみたいだけど、あなたを変えてみようとはした?」



『・・・・・』



「相手は変わらないよ。人生を楽しくしたいのなら、あなたが変わればいいんだよ。」



『ではどうすれば?』



「今日はここまでにしよう。またおいで」




気がついてみれば、1時間も海で目を瞑っている私がいた。



目を開けると、静寂が広がり、いつもより穏やかな私がいました。
  


Posted by ゆりくる~ at 20:47Comments(0)物語